どこにいても、何をしていても、常に私たちを取り巻いている存在……それが色です。
風景や食べ物、洋服、雑貨、人間の身体に至るまで、すべてのものに色は存在します。
実はこの色、私たちの心にあらゆる影響を与え、時として心を柔らかくほぐし、癒してくれる素晴らしい効果があるのです。
今回は、色が持つ癒し効果や、落ち込んでいる時・元気がない時におすすめな癒しの色、またそれら癒しの色を日常の中に取り入れる活用方法などについて、詳しく紹介します。
もくじ
色で心を癒すカラーセラピーの効果とは
カラーセラピーとは、色が持つ心理的効果を活用し、日常の中に適した色を取り込むことで心身を癒す療法のことです。別名「色彩療法」とも呼ばれています。
カラーセラピーを用いると、心がすっきりと清々しくなる浄化作用が期待できます。
実際のカラーセラピーの現場では、まず患者さんに自分の気になる色を選んでもらいます。その色を近くに置いたら、カウンセリングスタートです。
たったこれだけ?と拍子抜けするかもしれませんが、実は人間は、自分の選んだ色が目の前にあると、心の内に溜まっていた感情を吐き出しやすくなるものなのです。
したがって、このようにカラーセラピーを行うと、カウンセリングがスムーズに進み、患者さんも自分を客観視できるようになります。
カラーセラピーと聞くと、耳慣れない言葉でなんだか自分には縁がなさそう……と思うかもしれませんが、色の心理的効果は私たちの身の回りにおいて、さまざまな形で活用されているのです。
たとえば、飲食店では素早い回転率が求められるため、店の内装には活発さを感じさせる暖色系が使われていたり、塾などの静かに勉強する場では、集中力を高める効果のある落ち着いた寒色系が使われていたりします。
このように、色にはそれぞれ異なる心理的効果があります。それらを用いて心身のバランスを整えてくれるのが、カラーセラピーなのです。
色が心身に影響を及ぼす理由
色にはさまざまな効果がありますが、そもそも私たちはなぜ色の影響を受け、色の効果で心が動くのでしょうか。
その答えは、色のもたらす刺激が脳の「司令塔」に大きく働きかけるからです。
色は、可視光線と呼ばれる電磁波の一種です。可視光線の刺激は目を通じ、脳の中にある視床下部や海馬、偏桃体といった部位に届きます。
視床下部や海馬などは、人間の感情やホルモンバランス、自律神経を司る、いわば「司令塔」に相当する場所です。そこにダイレクトに色の刺激が届くことで、私たちの心身にさまざまな影響がもたらされるのです。
たとえば、赤やオレンジ、黄色といった暖色系の色は、自律神経の交感神経を活性化させ、脈拍や体温を上昇させる効果があります。
逆に、青や水色、紫といった寒色系の色は、副交感神経を活発にし、気分を落ち着かせてリラックスした状態にさせてくれる効果を持ちます。
このように、私たちが色を見たり触れたりすることで及ぼされる影響は、色そのものが自律神経などに直接働きかけていることが原因なのです。
お悩み別!心を癒してくれる色
ここからは具体的に、心を癒してくれる色をチェックしていきましょう。
とはいえ、ひとくちに癒しが欲しいといっても、その心の奥底に眠る感情は「やる気が出ない……」「わけもなく悲しい……」といった具合に、人によってさまざまですよね。
というわけで今回は、お悩み別におすすめな癒しの色を紹介していきます。
ぜひ、ご自分のお悩みやメンタルの状態に適した癒しの色を見つけていきましょう。
やる気が出ないなら「赤」で元気チャージ!
「やる気が出ない」「何をしても元気になれない」という方には、赤がおすすめです。
赤は、交感神経を刺激し体温を上昇させ、やる気をみなぎらせてくれる効果を持っています。
心がからっぽで何かをする気力がない時こそ、赤の力を借りてやる気と元気をチャージしてみましょう。
自信を持てない時は「オレンジ」で前向きに
「何をやっても不安で後ろ向きになってしまう」という人は、オレンジから勇気をもらいましょう。
オレンジは、自信をつけたり気分を明るくしてくれたりする色です。
同時に、積極性を引き出す効果もあるため、ここ一番!という勝負どころではぜひオレンジを身に着けてみてくださいね。
孤独で寂しい時は「黄色」を添えて
「ひとりぼっちで寂しい、孤独感に押しつぶされそう」という場合は、黄色で明るく楽しく気分転換をしましょう。
黄色は愉快、元気、希望などを司る色で、孤独感などのうつ症状の改善にも効果があります。
気分が暗くふさぎ込んでしまう時にこそ、黄色を活用してハッピーな心を取り戻しましょう。
ストレスが限界になったら「緑」で癒しを
「ストレスがすごくて疲労感も消えない」という人は、緑の力を借りて安らぎと癒しを味わいましょう。
緑には、気持ちを落ち着かせて気分をリラックスさせる効果があります。ストレスの軽減や緊張の緩和といった作用も持っています。
どうしようもなく疲れた時や、ほっとひと息つきたい時には、ぜひ緑で心を癒してみてください。
注意力が散漫になったら「青」で落ち着いて
「そわそわしたり集中力がなくなったりして困ってる」という場合は、青を取り入れて集中力を高めましょう。
青はそわそわする気持ちを落ち着けて、心を穏やかに静めてくれる効果を持っています。気分が落ち着くことで、集中力の向上も見込めます。
仕事や勉強など、集中してひとつの物事を終わらせたい時には、青の力を借りてみてください。
わけもなくイライラする時は「紫」でリラックス
「イライラしてヒステリー気味になっちゃう」という人は、紫の鎮静パワーをの恩恵を受けましょう。
紫は、あらゆる色の中でもっとも鎮静作用が高い色です。高ぶった気持ちを落ち着かせ、心身ともにリラックスした状態にさせてくれます。
イライラしてどうしようもなくなってしまった時は、ぜひ紫をそばに置いて心を癒してあげてくださいね。
自己嫌悪に陥ったら「ピンク」で愛を思い出して
「もうこんな自分なんか嫌だ!」という激しい自己嫌悪に苦しんだ時は、ピンクで心を柔らかくしましょう。
ピンクには、女性ホルモンの分泌を促す働きがあります。そのため、優しい気分になれたり、幸福感を味わえたりするのです。
ピンクの効果で優しい気持ちを取り戻せたら、きっともう自分を責める気になんてならないでしょう。
癒しの色を日常に取り入れる方法
色はそれぞれ優れた心理的効果を持っているため、それらを最大限に活用していきたいですよね。
自分の気になる色、好きな色、自分の悩みを解消するための色を日常に取り入れる方法は、実にさまざまです。
以下に、お好みの色を日常生活の中で取り入れるべき場所やアイテムについてまとめてみました。
- ファッション
- ネイル
- スマホケース
- タオルやハンカチ
- 家具
- ベッドシーツや枕
このように、色を活用できる場所やアイテムはたくさんあります。
すぐ自分の視界に入るファッションやネイル、スマホケースなどに好きな色を取り入れると、それを見るたびに気分が上がりますよね。
また、家でリラックスする際に囲まれる家具や、寝る時に包まれるベッドシーツなどを好きな色にしておくと、より深く、心の底から癒されることができそうです。
それぞれのライフスタイルや好みに合わせ、ぜひさまざまな色を有効活用してみてくださいね。
癒しの色で心穏やかな毎日を
色には優れた心理的効果があるため、それを活用すると日常の中で簡単に心を癒すことができます。
自分の好きな色、気になる色、自分の悩みを解消してくれそうな色……。
さまざまな色を自分のライフスタイルやTPOに合わせ、日常の中で積極的にカラーセラピーの癒しを取り入れていきましょう。